ダメダメな部下が出来るようになった

この前、昔からの知り合いに久々に会い、近況を聞いたところ、とても感銘を受ける話をしてくれました。

彼(仮にAさんとします)は、約2年前に現在の会社に転職し、営業部長として働いてます。Aさんは営業の経験や知識、スキルはありますが、業界としては全く新しいところへ移った方です。


「ダメダメだと会社内で思われていた部下2人が、スゴく成長して、成果を出すようになって、この会社に居なくてはならない存在だと思われるようになったのが嬉しくてさ。この2人以外もそこまでじゃないけれど、成長してくれてるのよ」

どうやってやったのか、がぜん興味が湧いて根掘り葉掘り聞いてしまいました。

「う~ん。僕もね、社内で『Aマジック』とか言われちゃってることもあって、分析してみたんだけど。愛というかな、多分、部下達を本当に好きで、承認してることが理由なんだと思う」

「承認って?」

「『頼むよ』って声がけしたり。僕は、基本的なビジネスマナーとか営業のコミュニケーションについては分かるけれど、うちのサービスについてはそんなに分からないし、部下たちの方がずっと知ってるから、任せちゃってるし」

分かるような分からないような。これだとAさんの人柄だから、になってしまうので、更にしつこく聞いてみました。


すると、以下のような話をしてくれました。ある部下が辞めた時にショックで、人がどうして辞めていくのかについて色々調べたそうです。そして、【貢献感】も【承認感】も低い状態だと人は辞めるんだと分かったそうです。以下の図で③の象限ですね。更に、②の象限、つまり、【貢献感】も【承認感】高い状態になれば、ほっておいても頑張ってくれるので自分も楽だし、会社にとっても良いし、何よりも本人にとってもいいと考えたので、まずは【承認感】を高めるために、徹底して承認をすることにしたそうです。そうしたら、元々潜在的には能力が高かった部下たちが③から②へ移ったそうです。

承認の具体的方法についても聞いてみました。「周りの人達の気分を1点上げるためにどんなことが出来るか考えてやってる」そうです。「いつもありがとね」とか女性ならば髪型の変化に気づいたら「いいじゃない」と伝えるとか。部下だけではなく関わる人全員に毎日一回はやることを目標にしているそうです。意識してやるようになったら、上記の部下たちが見違えるように変わったとのこと。ここで重要なのは形だけではなく、心から「この人の気分を良くしたい」と思うことだそうです。


「承認と貢献とどっちから先に手がけたらいいと思う?」

「承認だよ!!!」

Aさんが言うには、みんなの承認感が上がったので、貢献感を上げる施策を実施するつもりだそうです。貢献感をあげるためには、スキルや知識をつけてあげるティーチングが必要のようで、自社ビジネスに関する研修やコミュニケーションスキルを向上させるためのセミナーを実施することを予定しているそうです。

ティーチングという言葉が出たので、コーチとしての私は承認感を上げる方はコーチングだと解釈して、それをAさんに伝えたところ、「和気さんが僕に関わってくれる時に、絶対的に承認してくれてるじゃない? その経験があったから、僕も承認が出来たんだと思うんだ。その姿勢や言葉の使い方、何よりも『承認されてる』気持ちが分かるしね」(※ここは自慢なので笑いながら読んでください。と言いながら、承認を受けたことがある人は他の人に承認を伝えられるという例でもあります)


ダメダメだと会社全体から思われていた部下が出来るようになって成果を出したという例として、とても参考になると考えたので、記事にしました。


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エグゼクティブ・コーチ 和気香子

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