延長線上ではない目標を立てる

HPをリニューアルしたのに伴い、ブログもアメブロから移動して、こちらで書いていこうと思います。

お知らせ以外のブログを書くのは2年ぶりで、ちょっとドキドキです。

ベンチャー企業やスタートアップ企業の経営者にコーチングやメンタリングをしている中で気づいたことや、最近個人的に関心を持っている脳科学にまつわることなど書いていこうと考えてます。キャリアについては、今はオンラインサロンに集約しています。


経営者の方がコーチングを受ける理由は色々あると思いますが、「会社を成長させたい。そして、自分も成長したい」、「腹落ちする意思決定をしたい」、「従業員とのコミュニケーションをよくしたい」、「従業員にモチベーションを持ってもらいたい」等が多いようです。

その人、そして、その時に応じて、扱うテーマは変わってきますが、基本は質問をしながらご本人にアイディアを出してもらう「引き出す」コーチングを私は行います。

勿論、過去の経験から、アドバイスできることはするのですが、皆さん、自分のビジネスについても経営についても、よく勉強されていて、私が全く新しい知識やノウハウを提供できることが少ないのは正直なところです。はじめて起業をされる方に対しては、ビジネスプランの立て方といった基本的なところやVCと付き合うときのお作法のアドバイスをすることがたまにあるくらいです。

経営者にコーチングをする時に心がけているのは、視野を高く広く持ってもらうことです。例えば、数年後の売り上げの目標を立てる時に、今からコツコツ頑張って達成できそうな積み上げの目標ではなくて、「こうだったら素晴らしい! 世の中にインパクトを与えている気がするし、貢献している気がする」と思える目標を考えてもらうことです。

必達の目標として考えると、前者になってしまうのは自然なのですが、そうすると、新しいアイディアが湧いてきにくいのです。今の成長曲線からジャンプした目標を立てるから、「そのために何をしたらいいか」について新たな大きな視点が持てるようになるのです。

VC向けに説明するのは、必達な目標の方がいいかもしれませんが、本当に狙っているのはそこではない、高い目標を持ってほしいなと起業家の方については思うわけです。

ラグビー日本代表が素晴らしい活躍を見せるようになってきましたが、そのGMである岩渕健輔氏の著書「変えることが難しいことを変える。」にも、そんなことが書いてあります。

「2019年までにベスト4に入り、日本大会の時には優勝を狙う」との目標を設定したことについて、「そんな大風呂敷を広げていいのか?」といぶかる人が多かったそうです。実現できる見込みのない目標を掲げたりするのは、自身が大きなダメージを受けるが、かといって、身の程わきまえて100%達成できるような目標だけを設定していっては、日本のラグビーは絶対に進歩できないから、「身の程わきまえた」目標を設定したくなかったし、一方で、「大風呂敷だ」を言われるような目標を現実に達成するための策を考えなければならなかった、とあります。

ちなみに、この前のイングランド大会(3勝)まで、日本代表は過去のワールドカップで1勝(24戦1勝21敗2分け)しかしたことありません。

また、「どんなスポーツでも、選手は基本的に一位を目指して戦うし、その結果としてベスト4なりベスト8という成績が伴ってくる。最初からベスト8などを目標に据えていたら、逆にベスト8に到達することさえかなわなくなってしまう」

この本、ビジネス書としても、エンターテイメントとしても優れものです。

今の延長線上でない目標を立てるとしたら、どんなことを挙げますか?


以前のブログは以下リンクからご覧になれます。

エグゼクティブ・コーチ 和気香子

経営者向けコーチング。 自分らしいキャリアを歩みたい人のためのオンラインサロン。