イノベーションはバカから生まれる
「イノベーション」という言葉、頻繁に見かけるようになってきました。政府も戦略の一つとして打ち出していますし、多くの企業が「イノベーション」を意識して、何らかの活動をしています。
あんまり頻繁に目にするので、「イノベーションってそんなにしょっちゅう起こらないから『イノベーション』なのでは?」と突っ込みたくなることもありました。でも、ちょっと考えが変わってきました。世の中にないから、普及してほしいので無料配布している感じなんだろうな、と。ソフトバンクがYahoo! BBを普及させたときみたいですね。イノベーションが生まれる素地を作っていこうということなんでしょうね。
この前、アイディアソンというものに参加しました。
幾つかのグループに分かれ、半日のワークショップでビジネスアイディアを考え、最後にはそれをピッチ形式で発表し、投票で順位をつけるものでした。
私が参加したアイディアソンは、ビジネスアイディア自体よりも、アイディアを生み出すためのプロセスを体験することが目的でした。ある企業に対して行われた研修で、企業内でイノベーションを生み出すカルチャーを作る試みの一環です。私は、ワークショップ提供側のメンバーとしての参加です。
①アイディアのブレスト
②出てきたアイディアを少し具体的に書く
③他チームのアイディアを見て、良いと思ったものに投票する
④投票結果も考慮して、各グループが一つのアイディアを選ぶ
⑤選んだアイディアについて、良い点、問題点、問題点を乗り越える方法を考える
⑥事業の概要(事業を通じて作りたい世界、ターゲット、競合、マネタイズ方法等)を考える
⑦ピッチ内容を考える
⑧2分半のピッチをする
⑨投票
といったプロセスでした。
参加して感じたのは、①のところが多くの人が不得意らしいということです。①で大切なのは、とにかく沢山出すことなのです(例えば、15分位で100位)。ここで、「イケてるアイディアを出そう」と思うと、ひとっつも出てきません。うまくいくビジネスアイディアは、必ずもまるっきり新しいものではなく、多くの場合、既存の何かの組み合わせだったり、または「あんなのが売れるなんて」というものだったりします。だから、斬新なイケてるアイディアを考えようなんて思わなくていいんですね。そう考えると、腕を組んで眉間に皺を寄せて「う~ん。。。」と言ったまま、15分が過ぎてしまいます。
邪魔しているのは、以下の2つかなと考えています。
●「こんなこと言ったら、他の皆にバカだと思われるんじゃないか? 能力がないと思われるんじゃないか?」という考え。
●他の人へのダメ出し。ブレストで重要なのは、「否定しないこと」ですが、皆さん、その概念を頭で理解していても、どうしてもアラを見つけて突っ込みたくなるようです。多分、その方が頭が良く見えるからなんでしょう。
イノベーションを生み出すのは、「あの人、頭いいよね」と言われるではなく、「あいつ、バカじゃんじゃないの?」と言われる人だと思います。だから、「バカ」と言われることを目指してみるといいかもです。
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