明日という効果
コーチングのセッションで、「いつやりますか?」と聞くことが多い。聞くと、一歩目の輪郭がはっきりするから。
聞く時も、時間軸はそのつど変わる。数年かけて向かうものもあれば、今年中のものも、来月までのものもある。クライアントの状況によって、見ている時間軸は違う。でも、その長い絵の中で、まず動くのはいつも、一番近い一歩だ。今日か、明日か。それくらいの近さで、最初の一歩だけを聞くこともある。
でも、その次に会った時、「やりましたか?」とは聞かない。
やろうとして、なんか違うと思ってやめた。代わりに別のことをやった。単純に、気が向かなかった。どの答えだったとしても、聞いてしまえば、それは報告になる。報告になった瞬間、「やりたいこと」は「やるべきこと」に変わる。
人の気持ちは、時間が経てば変わる。決めた瞬間の熱量と、一週間後の自分は、もう別人と言っていい。長期の絵は変わらなくても、そこへの一歩の踏み出し方は、その日の気分でいくらでも変わっていい。それをto doリストのように固定してチェックする仕事は、私のやりたいコーチングではない。
だから、聞かない。言ってくれるのを待つ。
先日、あるクライアントさんが、セッションの中でふと言った。
「先月、明日やる、と決めたことを、本当にやったんです。まあまあ、大きいアクションだったんですけど。明日、という効果はすごいですね。」
聞いていない。追ってもいない。ただ、「いつやりますか」という一言だけを投げかけて、あとは待っていた。それが、こうして本人の口から、改めて言ってもらえてとても嬉しかった。
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