0→1は何物にも代えがたい喜びである

この前、ある起業家の方と話からとても素晴らしい言葉を聞きました。

「会社の規模が大きくなってきて、新たに迎え入れた経営陣に対する報酬をどうするか、ファウンダー達で議論したんです。お給料や会社が儲かった時の利益をどのように配分するかについて。ファウンダーの方により多く配分するというのは良くあります。でも、ファウンダーと全く同じ報酬体系にすることにしました。その理屈は、

『0から1にする楽しみ、0から1になった時の嬉しさは、ファウンダーにしか経験できない』

ことです。後から加わった経営陣にはその楽しみや嬉しさ、達成感は得られないのです。だから、その点では私たちファウンダーは十分にリターンを得ているわけです。だから、後から加わった経営陣と他の点でまるっきり同じにすることは、しっくりくると思いました」

素晴らしいなあと感じました。素晴らしいと感じたのは2つ理由があります。

1つは、例え”0から1への楽しみ”が十分に得られたとしても、金銭的な部分でより多く欲しいと思ってしまいそうなのに、ファウンダー全員が「後から加わった人に対して同等に配分する」ことに賛成したという皆さんの人柄についてです。いやあ、ついつい自分の欲がまさってしまいそうなのに。私だったら”0から1への楽しみ”については全く同感なのですが、それでも同じ判断ができるか自信がありません。

もう1つは、”0から1にする楽しみ、嬉しさ”についてです。私はいわゆるスタートアップとは異なりますが、独立しています。「やりたいことをやろう!」と思って独立したわけですが、最初からスムーズに進むわけではありませんでした。クライアントが出来なくて収入がない期間もありましたし、自分なりにたくさん手を打っているのに成果が出ないと感じて「もうどっかに勤めちゃおうかな」という考えが頭をよぎったこともありました。でも、それでも「このサービスは絶対にニーズがあるはずだし、多くの人のためになるはず!」という思い込み(良い言葉を使えば”信念”ですが、やはり思い込みです)があり、且つコーチングをすることが好きだったので、続けちゃったし、続けられました。そして、ある時「あ、これなら大丈夫」と思えるタイミングが来て、その時の嬉しさはなかったですね。「やっぱりやって来てよかったんだ」って。そして自信もつきました。イメージを持って、その方向に向けてPDCAを回していけば結果は出ると。

0から1にすることに対しては大変さばかりが言われる気がしますが、その楽しさや嬉しさ、充実感、そして得られる自信は何物にも代えがたいと思います。もし、今起業中の方がいらしたら、それを十分に満喫してくださいね。


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