質問が変化を及ぼす
この前、ある人に「コーチングって外部の関わりによって内面が変貌を遂げるんですよね? とても興味深いです」と言われて、驚きました。なぜならば、コーチングを通じて、人が多かれ少なかれ変化を遂げる様子をあまりにも見てきたので、いつの間にか、当たり前のこととして捉えてしまっていたからです(笑)。
そこで、「コーチングで人が変わるのは何故なんだろう?」 改めて考えてみました。
「変わる」の定義は自分が世界を見ている眼鏡、つまり、価値観が変わることだと思います。価値観が変われば、自分を囲んでいる世界が過去とは異なるものになります。灰色の眼鏡で見ていたのは、例えば「もう40歳だから、新しいことなんて出来ないし、うまくいくわけがない世界」ですが、薔薇色の眼鏡で見るようになれば「人間は幾つになってもチャレンジできるし、成果も出すのが普通な世界」に変わります。
つまり、人間が変わるには、価値観が変わればいいってことになります。で、その「価値観の変化」が起こるのは、大きな感情を伴う出来事に出会う、もしくは繰り返し、のどちらかによるものだと言われます。前者は、分かりやすいのはやはり事故や事件などでしょうか。ポジティブサイドの変化だとしたら、例えば、誰か思いもかけない人からの大きな親切等を受けたとき等でしょうか? しかし、大きな感情を伴う出来事に出会うことは、自らコントロールはしにくいものですね。
一方、後者の「繰り返し」は自ら能動的に手を打つことが出来るものです。そして、コーチングは主にその「繰り返し」にアプローチしていくことになります。
「本当はどうしたいのか?」
「そのためにできることは? そして、その第一歩は?」
がコーチングの二大質問ですが、今までの価値観を変えるときにかなり有効なのが「それって本当?」だと考えています。
例えば、理想は海外で働くことなのに、「英語が出来ないから、年齢がある程度いってしまっているから、無理」と思い込んでしまって、選択肢にも入れていないような時に、「それって本当に、絶対に無理ですか?」と尋ねてみると、当然だとしていた思い込みに疑問が投げかけられ、相手の中に「?」が生まれます。変化への第一歩です。
一回の質問が、湖に投げ入れた石のように波紋をつくって、自分でどんどんと考えを発展させていって、「海外で働くのもありじゃん!」と変わる場合もあれば、何回も続けて質問することで変化につながる場合もあります。それは、その思い込みがどれだけ強く刷り込まれているのと関係ありそうです。
一回の質問で相手が変わったとしても、コーチは常に問い続けます。
「本当はどうしたいか?」
「そのために出来ることは?」
「それって本当?」
補足ですが、どんな質問を投げかけるかによって、相手の思考や行動の質は変わります。似たような質問でも、「どうしてダメだったんだろう?」はダメだった理由ばかりを思い出し、モチベーションも下がるのでNG質問で、「もう一度やるとしたらどうしたいか?」の方が、より良くするアイディアを思いつきやすいので、OK質問です。
tipsとしては、周りへの問いかけだけではなく、自分への問いかけも、自分がやる気になったりアイディアが出てきたり、ワクワクするようなものになるよう、意識してみてくださいね。そして、出来るだけ「良い質問」を投げかけてくれる人が多く居るような環境に身をおくようにするのもかなり大切なことです。
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