定期的な運動は記憶力、思考力を向上させる

Harvard Health Blogで見つけた記事、面白そうだったので訳(意訳)してみます。Harvard Health LetterのExecutive EditorであるHeidi Godman氏の投稿です。

身体を動かすのが良い理由は沢山ある。まず、臓病、発作、糖尿病にかかる可能性を低くすることは、大きな理由である。体重を減らしたり、血圧を下げたり、うつ病を予防したり、外見を良くしたり、といったのも理由であろう。そして、新たな理由として、「記憶力や思考力を守る」というものがある。

ブリティッシュコロンビア大学の研究によれば、定期的に、心拍数があがり汗をかくような有酸素運動をすると、海馬の容量を増やすことが分かった。海馬は、言語記憶や言語学習に関わっている。筋力トレーニングやバランス、筋コンディショニングのような運動では、同じような効果は見られなかった。

素晴らしいタイミングの発見だった。世界では、4秒に1人が認知症だと診断されており、2050年には世界で1.15億人が認知症にかかるだろうと言われているのだから。


運動と脳

2014年5月のHarvard Health Letterで書いたように、運動は、直接的・間接的に、記憶力と思考力を向上させる。運動の直接的な効果は、インスリン耐性(インスリンの作用が十分に発揮できない状態のことを)抑制し、炎症を抑え、脳内の細胞を健康にする化学物質が出るよう刺激し、脳内に新しい血管を作り、新しい脳細胞を作り生存させることである。

間接的には、気分や睡眠の質を良くし、ストレスや不安を軽減する。これらの問題は、しばしば、認知力の低下につながるのである。

多くの研究が、脳のなかの思考や記憶をつかさどる部分(前頭葉前部と頭葉内側部葉)が、運動をする人の方がしない人に比較して大きいと示唆してきた。「半年以上、もしくは1年、適度な運動をすると、脳のある部分が増えることがということが、なんともエキサイティングではありませんか!」Brigham and Women’s Hospitalの神経科医でHarvard Medical Schoolの神経学講師であるScottは言う。

試してみる

それでは、どうしたらいいのか? 運動を始めよう。どの運動が一番いいのは分かっていないが、多くの研究は歩くことに注目している。 McGinnis博士は「他の心拍数を上げるような運動も似たような効果が得られる可能性は高い」とも言う。

どの位の運動が必要なのか? 今回取り上げた研究では、参加者は足早に1時間歩くことを週に2回、つまり、適度な強度の運動を週に120分やっている。標準的なおススメは、毎日30分、もしくは、週に150分、適度な運動をすることである。いきなりはハードルが高いようならば、毎日2,3分間からはじめて、毎週の合計を5~10分ずつ増やしていくようなやり方もある。

歩きたくないならば、他の適度な強度の運動、水泳、階段を上がること、テニス、スカッシュ、ダンスなども検討したらいい。心拍数が上がって軽く汗をかくのならば、モップがけ、庭の葉を熊手で集めるようなものもカウントできる。

自分で出来ると思わない? 挙げたアイディアのどれか、もしくは全部を試してみて。信頼できる友達とワークアウトのクラスに参加するのもいい。自分の進捗を記録につけると、やる気も出る。もし、可能ならば、パーソナルトレーナーを雇うのもありだ。

どの運動を選んだとしても、どのようにやる気にするにしても、薬を呑むのと同じように習慣になるまで続けよう。どっちにしろ、運動は薬みたいな役割を果たすんだし、それが、やる大きな理由でもあるのだから。


自分でもかなり長い間、週に3回程度の運動(エアロビクス、空手、キックボクシング)を続けてきました。昼、仕事で集中して頭を目いっぱい使って、「もうこれ以上は無理!」と感じるような時でも、夜、運動をして、その後シャワーを浴びると復活しますし、場合によっては、運動している間に新しいアイディアを思いつくようなこともあります。身体を動かすのは、頭にもいいのだろう、と感じてたので、それを科学的に説明するものがある(このブログではデータを出してませんが、Harvard Health Blogなので、その先まで遡らなくていいかと)とついつい読んでしまいます。



エグゼクティブ・コーチ 和気香子

経営者向けコーチング。 自分らしいキャリアを歩みたい人のためのオンラインサロン。